津グランプリシリーズ第3戦 2日目 開催中開催はありません05/21
sat
HOME > 選手情報 > 選手クローズアップ

生まれ育った小さな町・香良洲(からす)町のヒーロー。いつしか彼は大きな存在に憧れ、競艇選手を志した。選手時代は師と仰ぎ、ずっとその背中を追い続けてきた。

「レースで消極的な部分が出るたびに、もっと強い気持ちでレースに挑め、もっと自信を持てと言われてきた。僕、気持ちが弱いんで(苦笑)、今でも考え込んでしまうことがあります。周年も結局、最後まで競艇王CCでメチャクチャにやられたのを引きずってましたから。その度に、村田さんの言葉を繰り返し思い出して、そうやって自分を奮い立たせていた」

幾度も押し寄せる不安の波。弱冠26歳の青年は未来をも悲観した。だが、その度に背中を押してくれたのが師匠の厳しくも優しい言葉。その力強いフレーズとともに、安達は6日間の激闘を乗り切った。しかも最高の結末で。この優勝によって、安達は確かな手応えを掴む。


「『自信』です。まさにそれですよね。もっともっと、自分でも自信を持っていいんだなと、やっと思えるようになったんです。吹っ切れたんでしょうね。一般戦では勝てるけど、記念では勝てない。そういう結果が続く中で、このまま上にあがれないと感じていましたから。そういう中で記念を獲れたことは、本当にこれからの自信に繋がると思います」

管理解除後。携帯電話を受け取った安達は、すぐさまある人の番号を探した。真っ先に電話をかけたのは、村田氏だった。G1優勝できました―。無我夢中で喜びを伝えた。すると、受話器の向こうからは温かく優しい言葉が返ってきた。おお、よくやったな―。ようやく緊張の糸が切れた彼の目には、熱いものがこみ上げた。

今年9月。今まで頼りにしてきた人が引退することを知った時、やはり不安はあったと言う。

★あだち・ゆうき
昭和58年2月12日、三重県生まれ。26歳。
身長/体重:165cm/55kg、血液型:O型
◆03年5月に地元・津戦にてデビュー。4年1ヶ月後となる5月の津GW戦で待望の初優勝を飾る。初出走から6年目を迎えた今年、11月の常滑・競艇王チャレンジカップでSG初参戦。未勝利に終わるも、直後の地元・津周年でG1初制覇。雪辱をシッカリと果たし、新たなスタートを切っている。
「分からなくなった場合は、すぐアドバイスを求めたりしていましたから。お世話になってきた人がいなくなるなんて、始めは想像もできなかった。これからは一人でやっていかなきゃいけないんだなって」

それでもレーサーである以上は、勝たなければ道は拓けない。今まであった大きな支えを失ったこの先も、だ。しかし、すでに安達の中には数字でも形でも表せない、自分自身にしか感じ得ない強固な支えができた。

「これからもなかなか結果が出せないことはあると思います。その意味では、今年は本当に苦しい一年でした。でも、一戦一戦じっくり経験を積んで、実力をつけていけば、最後に優勝するチャンスは自分にもあると思う。それは選手である以上究極の目標ですから。SGは村田さんも掴めなかったタイトル。自分が勝つことは最高の恩返しになると思うんです」

苦い経験と向き合った2009年。安達は折れることなく、自らの力で壁を打ち破った。自信という、新たな武器を手にして。



 
★こぼれ話★
開幕まで1ヶ月を切った、浜名湖G1第24回新鋭王座決定戦。
本番に向けて意気込みを伺ったところ、返ってきた言葉は
「1つの勝ちやすいG1」でした。
記念戦線への斡旋が増えた今、目指すのは艇界トップクラスの
選手達と対等に戦った上で、覇権を掴むこと。
もはや、新鋭王座は通過点に過ぎないということになります。
12月、地元・津の周年を制し大きな自信を掴んだ安達選手。
「今年は優勝するしかないかなと思っています」
というコメントも、十分に頷けるものでした。